本気だって言っている!
サメラはじっと本を読み、辞書をひいて、の作業を繰り返して、物語を紡いだ。
「何を読んでるんだ?」
とひょいと本を取り上げられ、視線を上げれば伴侶の青。いい加減にしろと目線で訴えられて、サメラは平然と本を奪い返しまた羅列を追う。
「書き取りはどうした?」
「済ませた。」
サメラの指差す先に、高くつまれた本の数にめまいを覚えた。
「あれを見ても、文句は居うこお前はどたいしたい?」
魔法協力どの仕事を兼務しながら仕事に頑張っていたのだ、これぐらいがふつうなんだといい気聞かせてサメラは相手に分かり易い露骨なため息をついた。
「お前、まだ持ってたのか。」
「いや、このマジ狩るさんの話が心当たりありするし、見覚えあるんだよな。と呟いてこれ、なんて読むの。と問い合わせを入れてペラペラ読み解く。
「サメラ、これ、」
ミシディアの教材だよな。ポロムから貰ったと言い放ち、満足げにサメラが笑う。
「これミシディアの教材だよな。」
「…そうなのか?」
「俺が旅でふらふらしてるときに子がそれを読んでたぞ?」
お前について書かれてたが。
へー。は?
肖像権とかプライバシーとか、そんなもん関係ないのか!?
いや俺に聞くな。と止められ、サメラはげぇ。と言返す。
「月にいってー。だれよりも多く魔法を放ちー。って、あれな。良いことを教えてやろうか?」
ニヤリと笑うカインに食らいつくサメラの耳に耳打ちする。魔法の教科書にも成るんだってさ。
「いや、時稀に正しくそんな記述があるみたいだからな。」
「いいのかミシディア!」
「ミシディアの教育だしな。バロンには関係ない」
「あるだろ!今日コルトがマジ狩るさんを見て、魔法を使ったぞ。」
「本気か?」
本気だって言っている!
(なんで嘘を言わねばならない!あほっ面!)(アホで言うな!)(悔しかったらケアルの回復量増やしやがれ)(それとこれと関係ないだろう)(ある!ある!)(意味がわからん)(とりあえず、ミシディアでこのマジ狩るさんの権利を確かめてくる)(おい、帰って来い)(竜借りるぞ)(俺のローザァアア!)(また、お前そんな名前つけてたのか!いっぺん死ね!フェニックスの尾も焼いといてやる。安心しろ。永眠)(お前。)(とりあえずセシルに言ってくるっ)
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