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マジ狩るさんのお陰です。

「コルト、書類を配ってくるから留守番よろしくな。」

頼まれ事を聞いて、コルトは頷く。サメラを見送り、勉学の教科書「マジ狩るちゃん」を読みながら、ノックの音を聞いた。

「サメラさん。入りますよ…って、あなたはどこの子かしら?」
「私は最近この家の子になりましたが、えっと、どちらさまで?」

桃色の髪をした女は、サメラをご所望で、コルトは昼間留守番が仕事だ。相手の名前を聞いて伝言を受けてサメラまで渡す。この間失敗したのだ、挽回のチャンス。と意気込んで、目の前の人を見上げた。

「私、ポロム。ミシディアで、魔導師をしてるの。サメラさんは、私のお姉さんみたいなものかな。コルトちゃん。」

サメラさんが、ずっと言ってましたの。ガウェインさんが、コルトちゃんがって。だから、会いに来ちゃった。恥ずかしそうに笑いつつポロムは、促されて椅子に座る。

「サメラさんは、書類を配りに行ってるので、あとしばらく帰ってきません。」
「じゃあ、お留守番なのね。ね、コルトちゃん。手を借りてもいいかしら?」

と言う前にコルトの手を握り、まじまじとポロムはその手を眺めて、しばらく、こう言いはなった。

「魔法、ちょっと勉強してみない?」
「魔法、を?」
「えぇ。コルトちゃんから魔法の匂いがするのよ。」

ちょっと頑張ってみる?簡単な初歩の魔法でよかったら、きっとすぐに出来るわよ。やわらかく笑うポロムにコルトは目を輝かせた。

「魔法を使えば、サメラさん笑うようになりますか?」
「大喜びで、抱きしめてくれますよ。きっと。」
「私、やりたいです!」

じゃあね。と簡単な初歩を教える。魔力があって、危なくない魔法の呪文を口に出すと、覚束なく呪文を放つ。

マジ狩るさんのお陰です。
(ただいま…ってポロムいつこっちに来たんだ?)(いまさっき、リディアさんに)(またアイツ召喚獣で来たのか?)(いえ、なんでもありませんっ!それよりもサメラさん、コルトちゃんが見せたいものがあるって。)(ブリザド!)(氷魔法…あれ、魔法教育資材のマジ狩るさん、家には無いはずだが、ポロムか?)(え、何の話でしょう?アハハハ)(…よかったな、コルト。魔法も最近は必要な能力だからな。カインよりも回復力や攻撃力の高い魔導師にもなれるな。)


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