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戦闘集団の筆頭、戦探覇者。

「サメラ。」
「ん?」

窓辺でうつらうつらしていたが、場の空気に流されるかのように現実に引き戻された。誰か、私を呼んだか?いや、個々に私の正体を知る者は、ここでサメラと呼ばないように頼んでいる…どうやら、気のせいのようだ。
あくびを噛み締めながら周りを見回せば、なにか賑やかだな。と思いポーリュシカの横に位置付いて話かけてみた。

「なんの話だ?」
「うんと…ホブス山でモンクそう?が倒れてるんだって」
「モンクみたいな、というニュアンスだな。お前のはなしだと」
「モンク僧が倒れる。…か。何かあったか?」

魔物の動きも穏やかだったのに何が有ったと言うんだ?サメラは首を傾げた。

「ギルバート殿。すまんが失礼させてもらう」

高らかに宣言するのはファブール王。民が気になり早足で駆け抜けようとする王の進路をサメラは塞いだ。

「一人で大丈夫かい?」

柔らかく放つダムシアン王が問いかけると、バロン王も同行すると声を上げれば、ファブール王は言葉を濁らせると、バロン王は窓の外に視線を投げて、「妙に胸騒ぎがするんだ。」と呟いた。彼が行くなら私も。とバロン王の伴侶も強い意志を持った。

「忘れて貰われては困る、な。」

山頂ならば魔物のいる可能性をも持つ必要がある。私にも、ビジネスチャンスをくれ。お前たちを、迅速に、早く山頂に送り届ける事を約束しようではないか。
相手は王族だ。ここで宣伝しておく手はない、とサメラは決めてそう放つ。
戦力は今で3人。僧王と騎士王と白魔導師、プリン体にでも出会す可能性もあるだろう。今回の報酬は要らない。ただ、魔物の全滅戦やら、戦いに呼んでくれればいい。

「…かたじけない。セシル殿、ローザ殿、それから。」
「あぁ、申し遅れて申し訳ない。私仮団長にして道化師クラウン。クランと申します。以後ご贔屓に。」

もちろん名前なんてでっち上げるに限る。とサメラ…もといクランは笑った。

「道中、よろしく頼む。」
「戦闘集団の筆頭、戦探覇者、私めが僭越ながら勤めましょう。ダンサー、あなたはここでどうしたいか考えなさい。」
「うん。分かったよサメラちゃん」
「おやおや、声色も似ていませんのに、クランですよ、あなたの道化のね。」
ダンサーの頭を撫でて道化師は手をひらひら遊ばせて廊下へ歩き出したのであった

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あきゅろす。
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