お前のせいだ。と言う気力も尽きた。
エブラーナからカイポ。そして水脈を抜けてダムシアンに。
カイポからダムシアンへの定期便もあるが。
「いかんせん金がない。ポーリュシカ。どうしたい?」
「お金稼いで」
「お前いつもどうやって…」
「知らないオジサンとお喋りー」
「止めとけ!お前、それは止めろ。」
「えー。なんで?」
…お前の兄が悲しむぞ。もうしないと約束を無理やり取り付けて、サメラはホッと胸をなで下ろした。なんでもかんでも過ぎるぞ。団長。と吐き捨てたい気持ちに駆られつつも、グッと抑えつけてサメラは本日何度目かの肩を落とした。
「サメラ…団長ちゃん元気ないね?キャラバン帰る?」
あんたのせいだ、ポーリュシカ。
言いたいが言えない。複雑な心境を持ちつつ歩く。
「足元気をつけろよ。」
「きゃふ。」
「いわんこっちゃない。」
転んだボーリュシカを荷物ごと抱いて、ダンサーを肩車荷物は二人分を抱え。サメラとポーリュシカは砂漠に踏み込んだ。
「えー。熱いよ」
「わがまま言うな。帰るか?」
「それはヤダッ」
「はいはい王女様。」
お前よくダムシアンで生きてたよな。と漏らさず留めた。
「ね。」
「ブリザド。これで冷やしとけ。」
氷玉を作り上げ、ポーリュシカに渡せば。つめたぁい。と言いつつキャッキャ遊んでいる。幼少期から別れた家族。手紙人のことを言えないが、ポーリュシカもポーリュシカなりに緊張「あ、落としちゃった。」……ポーリュシカ。よし、歩こうか。
頭の上に氷玉をぶつけられて笑える余裕なんてサメラは持ち合わさず、ため息が漏れた。
団長…いやマラコーダ。あんた、次世代を自由に育てすぎだ。もう、段々…落ち着け、そう、落ち着け。吸ってー吐いてー「団長ちゃん。お腹すいたー」…早く、私を異説に連れてってくれ!このお花畑娘をつれてダムシアンに行ったらすぐにバックレよう。よし、そうしよう。それからまた異説で会うマラコーダを今回こそ巡らぬ者にしてやる…
「サメラちゃーん、ほら、落ちついてよー」
「…お前のせいだよ、ダンサー」
足跡は地下水脈に向いて二つ。…セシル、お前、ここを歩いたのがリディアで羨ましいよ。
「サメラちゃん、泣いてるー?」
「…目から汗が出てるんだ。」
「もー汗かき屋さんっ」
お前のせいだ。と言う気力も尽きた。
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