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「エリクサー四連発。」

フロアの中央で、ぼんやり立つ緑がいた。仲間の再会に喜ぶ周りと、一応知らない者として存在するクランは、遠巻きに一行のやり取りを見ていた

「リディア。」
「探しましたわ。居なくなるのでびっくりしました。」
「なにしてたんだよ。こんな所頃で。」

風に乗り、匂いがサメラのもとにやってくる。…違う。何か違うのが、解るけれどもサメラには答える問いを持ち合わさなかった。眉根をよせてエッジを睨んでいると、「上手く化けたな」なんて言葉が飛んだ。
…ミツケタ。の意味が今理解できた。月のダンジョンの最奥で出会った魔物だ。私を探しに、創造主がやってきたのだ。

「クラン」
「障害は、排除…し、…世界…を。」

緑が手を高く振り上げ、異界のモノを呼び青の世界を作り出した。

「魔術師-magician-、ファイガ。赤き牙三発」

カードとアイテムを連打して凍る世界を色を変えていく。氷の女王を溶かし切らせば、緑が雷の老師を呼び出す。

「カード全解放。呼び起こすアルカナ!呼出-colling-、ソラ。ホーリーバレット。」
「クラン、離れろよバイオ!」

聖なる光を浴びた銃弾は、溶かす魔法を纏い老師の胸を貫き通し、緑を傷つけた。キラリ。と光るかけらはからりころり。と音を立てて闇の中に落ちていくのを見逃さずサメラは眉を潜めそれを見ていた。服の装飾にかすったのか。というふうに事実を受け止め、次撃を放つ準備に取りかかる。

「クラン。」
「はい、セシル。エドワード。」

駆け出した銀と白に追いつくように走り、老師の雷を避雷針よろしく、離れた空に投げたロッドに走る。
そんな隙をついて、一撃を放ち老師は消えた。

「…」

灼熱の獣人を呼び出した緑は、ただ無表情にクランを見ていた。視線に気づかないクランは、獣人を頭から踏みつけ、低い体勢を余計に低くして、走り出すタイミングをずらしてやると、チャンス。と言わんばかりの白魔導師が弓矢を放つ。

「氷の矢!」
「ウォタガ!」

灼熱の獣人に水を浴びせ、凍らせた。一発蹴りを食らわせてやると粉々に砕けた。不満げな表情を浮かべる緑が竜神を呼び出した。

「くっ。」
「今お前らに、月のカーテンだ。あと使え。」
「クラン。フェニックスの尾って、君」
「エリクサー四連発。」

わるいな。私には、これだけしかないんだ。と来るべき赤を待つだけだった。


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