姉ちゃん知ってるのか?
「ガウェイン。聞こえるか?」
「あ?なんだよ。」
「…お前は知らないかもしれないが。私からお前に話さなければならない事が一つ。聞きたい事が二つある。」
誰も居ない空だからこそ、可能性をも含んだ話をする。聡いお前だからこそ話す話でもある。
「…聞きたい事だけ聞いてやるよ。」
「…姉とどこに住んでいた…。」
「町が焼けてからは、アガルトの宿屋で母さんは働いていた。」
「…姉は、コルトか…?。」
「姉ちゃんの名前知ってるのか?」
まぁ、向こうは私を覚えているか知らないがな。
空の中で、ポツリポツリと紡ぐ中で、会話が続く。意外と長く会話が続くな。と思いながら会話をしていると目的地に近づいてきた。
「ついたぞガウェイン。」
高い山の斜面に竜を座らせ首根を撫でる。呼んだら帰ってこいよ。と言い聞かせて竜を空に飛ばす。自由に空をくるくる回ってるのを見つめ、身を投げた。
「ここどこだよ」
「地図具合なら、住んでいた村近く東の山頂上だ。ボブス山脈をにも繋がる末端の山だな」
太陽がトロイア深緑帯にゆっくりと沈むのが見える。二人で腰を下ろして風景を見ていた。
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