幸せの形は人それぞれだ。
他愛のない会話を慎ましやかに、楽しげに会話している。…カインとサメラ。で考えたが、なんだかうまくいかない。どちらも意地っ張りで折れない。
そしてイライラして小さな口論になる。
「サメラ?」
「…ん…」
「どうかした?」
「…なんか、羨ましいな。って」
もごもご言葉尻が窄む。なんかそう思えた。語尾を濁らせているとセシルとローザは互いを見合ってクスクス笑う。
「僕らもサメラとカインの関係は羨ましいよ」
「そうね。私たちは喧嘩なんて無かったわ。」
「ほら、幸せの形は人それぞれだ。って言うから、気にしなくても良いんじゃないのかな?。」
「……だよな」
「サメラとカインを見るのも楽しいんだけどね」
「何か言ったかセシル。」
折れる。か。
それも一つの手だと彼は言う。…そう言えば折れた事はないな。私たちは。大抵は、サメラが怒鳴り逃げる。それでもカインはサメラの横に居た。
「出来るか。」
「何か言った?サメラ」
「なんでもない。気にするな。」
やんわり制して、サメラは茶を舐めた。ザリザリ鳴らしながら、胃に収める事に勤めた。
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