[携帯モード] [URL送信]
幸せの形は人それぞれだ。

他愛のない会話を慎ましやかに、楽しげに会話している。…カインとサメラ。で考えたが、なんだかうまくいかない。どちらも意地っ張りで折れない。
そしてイライラして小さな口論になる。

「サメラ?」
「…ん…」
「どうかした?」
「…なんか、羨ましいな。って」

もごもご言葉尻が窄む。なんかそう思えた。語尾を濁らせているとセシルとローザは互いを見合ってクスクス笑う。

「僕らもサメラとカインの関係は羨ましいよ」
「そうね。私たちは喧嘩なんて無かったわ。」
「ほら、幸せの形は人それぞれだ。って言うから、気にしなくても良いんじゃないのかな?。」
「……だよな」
「サメラとカインを見るのも楽しいんだけどね」
「何か言ったかセシル。」

折れる。か。
それも一つの手だと彼は言う。…そう言えば折れた事はないな。私たちは。大抵は、サメラが怒鳴り逃げる。それでもカインはサメラの横に居た。

「出来るか。」
「何か言った?サメラ」
「なんでもない。気にするな。」

やんわり制して、サメラは茶を舐めた。ザリザリ鳴らしながら、胃に収める事に勤めた。

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!