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「僕も混ぜて貰っても?」

「あら、それはカインが悪いわね。」
「すまないなローザ。夜分に。」

落ち着いて茶を飲む頃には、すっかり茶は覚めていた。ちょっとザリッと砂糖の音がした。砂糖を噛みながら、サメラはため息をついた。

「カインも変な所素直に放つのも問題よね」
「昔からだ。」
「そうよね。サメラもよ。意地っ張りなんだから。」

ローザの一言がグサリと刺さる。アイツとの第一印象から最悪な関係。敵対する間から始まっているから、のも有るが。どうして落ち着いた。と子弟でさえ首を傾ぐのだ、仕方ないじゃないか。

「僕も混ぜて貰っても?」
「駄目よ。女の子の話に混ざっちゃ。」
「なら、夜のお菓子は持って帰るよ。」
「仕方ないわね。セシル。」
「……」

クスクスとローザが笑いつつ隣をどうぞ。と椅子をセシルに譲った。なんだか、いいな。なんてサメラは、二人を見て思いつつ、ちろり。と茶を舐めた。
甘い甘い砂糖の味が口の中に、広がった。茶の味はない。砂糖の味の余韻を楽しみながら二人を見つめて、ぼんやりと思考を巡らせる。

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あきゅろす。
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