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その一個前だ!このど阿呆!

背の高い椅子に座るガウェインが、床に足がつかないのをいいことに、ぶらぶらさせているとサメラが叱りつけたり、カインが楽しみに取っていた肉団子をサメラが遠慮なく奪い、バランスよく食わないからだ。と食を楽しむカインと合理主義者サメラの喧嘩をしたり。憎い、と思ったサメラが頭を撫でたとき、ガウェインの母の顔を思い出した。
悲しげに顔を下げて、手元のスープを見つめる。サメラは、気配に気付いてか赤い野菜を口に放り込んでから、サメラはガウェインに問いかけた。

「ガウェイン。家族はどうした。たしか姉がいる。と聞いたが。」
「姉ちゃんは、母さんを思いながら村で生きているよ。」
「お前、家族を置いてきたのか」
「あぁ。」

だってお前と差し違える気だったし。なんてガウェインが全てを言い放つ前にサメラの拳が飛んだ。

「おい、サメラ。」
「ガウェイン。今、なんて言った。」
「お前を差し違えて…?」
「その一個前だ!このど阿呆!!」

怒号が飛んだ。魔法を纏う拳が少年の頬を捉えた。線の細い少年は、サメラにより窓辺に飛ばされた。


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