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12回目(完結)
サメラが旨そうなんだよなー。

「……!?…」
「サメラ?」

世界は色鮮やかに加速して。
視覚は一気に現実を叩きつける。
どうやら寝ていたようなけだるさを覚えながらサメラは、目の前の男と目があった。

「…大丈夫か?」
「…お前は…?」
「俺、バッツ。よろしくな。んでもさー。こんな隅っこに寝てるなんて、チョーびっくりした。」
「すまなかったな。世話…?…世話になった。」
「なぁなぁなぁ!」

立ち上がりかけたところで腕をつかまれ自然とまた腰をを下ろす仕草になった。

「どうしたバッツ。」
「わり、はらへっちまった。サメラなんか作れる?」
「でつくるもなにも、食材が無いじゃないか。」

へろりと言い切る目の前の男は、平然とサメラが旨そうなんだよなー。なんてこぼす。

「ちょバッツ!」
「寝てるときからさー。かわいいな。って」

不意に肩を押され、バッツが上でサメラを組み強いた。おいちょっと人の話聞け!お前何ジタンみたいなことなって。ギャーギャーわめいていると、また新たな声が聞こえてた。

「人妻口説いて楽しいの?」
「サメラなら、なんでも――」
「セシルっ!」

このパターンはやばい。

「破邪の光よ」
「うぼぁー」
「サメラ、大丈夫だったか?」
「う?あ、まぁ。助かった。フリオニール」

あれを投入するならもっと前にしてくれたら有り難かったが。
苦言を漏らしてサメラはセシルを指差した。
いや、これでも早くした方だが。ていわれて後ろのセシルを見てみると、ものの見事にバッツをぼろ雑巾のように扱っていた。と同時に見方でよかったと思えた。

「とりあえずアレの止め方は私は知らないぞ」
「あ、ゴルベーザ」

フリオニールが適当に指を指して、やると。セシルが、兄さん!と反応して。

「ぎゃばっ…」

見事に触れる運命であった。ちょっとセシル!このブラコンめ!と野次りつつ、サメラは深いため息をついた。

「俺の見間違いだった」
「な。いいがら、はやく退いてくれ…」
「サメラ。大丈夫?」
「なように見えるならそう扱ってくれ。」
「で、サメラどうして僕の下に?。」
「お前がしたんだろうがぁっ!」

ど阿呆と一発喰らわして、サメラは口を開く。

「フリオニール飯にしよう」
「え?」
「怒鳴って腹減った。飯すんぞー。」

傷治せよー。と吐いて飯を始めるのであった。

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