12回目(完結) ……カラフル魔導師の仕業か? 「それはそうとライトニング。彼は、信頼できない?」 「……」 訝しげだったからな。これは私の人生論だから聞き流しても構わないが。 沈黙のままでもいいけど、ちょっと聞いてね。そこまですぐに物事を見定めると失いやすい。ゆっくり時間をかけで決めればいいが。かけすぎると機会を逃す。 「何が言いたい」 「私は私のモノサシで計ってきた。お前はお前のモノサシで計ればいいと言ってるだけだ」 …わせ… 時稀に聞こえる雑音。腕輪による物だろう。幾度となく経験してきたからこそ感じる。 「解らなければ共に戦ってみるのも一つの手だ。」 ライトニングがお前が、自分で、決めればいい。 「やはり夫婦だな。」 「なんだ、他のにも聞いたのか。」 でライトニングは何か掴めたのか?。と聞いてやると、ほんの少し目尻を下げて、あぁ。と答えた。 「サメラ。ライトニング。」 「どうした?」 「私とライトニングは北を。カインとジェクトは南の方を見てくると言っているが、君はどうする?。」 「私は。ライトニング。お前についていく。」 それから雑音が聴覚を叩く。 暴力的な雑音に眉和すこししかめて、サメラは当たりを伺う。 なにもない。気配が遠くに1つ2つ。感じる程度。だ。 「…いや、やはり、気になることができた。」 ちょっと、見てくる。何かあったら、空に魔法を放つ。ついてくるなよ。と念押しして、サメラは、一人東に向かって行った。 「サメラ。君の光は儚く脆い。」 「光は光だ。一カ所で光れば影が出来る。二三に枠他方が影も出来ないだろう。」 「君の光に、祈りを」 「あいにく、神様っていうのは信じない主義でな」 何か異変が起きたら知らせる。 最後に念を押してまた歩き出す。 隣のエリアに移ればと気配は同じく気配がついてくる。 彼らと離れカイン達もこない。 「さっさと姿を表したらどうだ?」 「…ごめんなさい…。」 柱の影から現れた少女に目を見開いた。以前に戦った仲間を。こう向かわせるなんて、意地汚い奴をサメラは理解した。 ……カラフル魔導師の仕業か?サメラが知る中の一番古い異説にて受けた操りの輪。思考を奪いなにもかもを壊す可能性のあるそれにサメラはため息をついたのであった。 [*前へ][次へ#] |