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ティナ・ブランフォード

オニオンナイトが音を調べてまだ帰ってこない、賢い者だから迷うことなんかないだろうと思っていたが、やはり一人は怖い。周りを見ていたが、見回すかがりなにもなくホッと胸をなで下ろした。

「…あ、ティナか。」

ビクリと肩が揺れた。音の根元を見てティナの首が傾いた。自分より背の高い相手を見上げ、ティナは違和感を覚える。

「サメラ…。」
「オニオンナイトと一緒じゃなかったんだな」

ちょっとはぐれちゃった。なんて弱ったふうに笑うティナを見てサメラは隣に腰を下ろした。

「困ってりなら素直に言え。」

どんなことでも力になろうじゃないか。
仲間だろ?と持ちかけると、ティナがコクリと頷いた。

「みんなの居所を教えるから先に行くといい。」
「でも、オニオンナイトが」
「…良いことを教えてやろうか?」
「いいこと?」
「そう、いいこと」

オニオンナイトにしか利かないし、あんまり使うとややこしいからな、本当に必要な時だけだ。

「魔法を一つと悲鳴を一つ上げれば、オニオンナイトはティナが敵に襲われていると勘違いして出てくるぞ?」
「……でも、やっぱり。」
「やらないなら、私がやるぞ?」

サメラはニヤリと笑ってからティナの声に似せて、あーあーと声を出す準備をしている、刹那、サメラの頭上にもう一人サメラが降ってきた。

「マラコーダ!」
「チッ、もう来やがったか!」
「さっきまで、お前にはケフカんが居ただろうが。」
「カラフル魔導師は道端に伸ばして来た。」

げっ、お前の苦手そうなの連れてきたのに、ざぁんねん。
ケタケタ笑って、マラコーダはまたどこかに消えてった。サメラは舌打ちを一つして地面に腰を下ろした。

「……サメラ?」
「ティナ、無事か?あの存在猥褻が何かしなかったか?」
「ううん、何も」

寧ろ、みんなの所に連れ帰る為にオニオンナイトをどう呼ぶか教えてくれたわ。

「どうせ戦ってます、装って、悲鳴を上げろ、とか言うんだろ。」
「どうして解ったの?」

オニオンナイトの過保護から考えてだよ。優しくさとす。

「必要な時に呼べ、いくらでもお前たちの力になりたいからな。」

じゃあな、なんて言葉を残してサメラもまた歩きだす。
そうだった、彼女は脚が折れていたんだ。さっきの違和感も、きっとこれだ、と思いティナはサメラの横を歩き出した。

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