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セシル・ハーヴィ

「ったく、何なんだ。」

手の上で、小さな石が転がる。かすかな光を得てキラキラと何か語るように光を乱反射させていると、一つの石が光を放ち、煙が出て、黒い影が出た。サメラはとっさの判断で石を投げたが、判断空しくテントの壁に当たるのであった。

「武神事変-Satellit Reacter-!」
「げふっ。」

猪よろしく突進で、柔らかな感触が顔に当たる、なんだこれ、と思いそしてサメラは理解する、女の胸だと。

「武神事変-Satellit Reacter-、会いたかったわー!」
「おい。」
「今も昔も変わらずに可愛らしくて食べちゃいたい!」
「…話をきいているか?」
「銀の髪も、いつもと変わらずね!」
「あのな!」

柔らかな胸を押しのけて、ゼイゼイと息をする。苦しさで顔は真っ赤で、苦しさからか涙が溢れ「武神事変-Satellit Reacter-可愛いっ!」「ぬげっ!」女とは思えない声をだして、また呼吸困難に陥る。なんか前にもかかわらず合ったような、妙な既視感に捕らわれた。

「…お前は、誰だ?私は、(なんでもかんでも)忘れているんだが、私の知り合いか?。」
「記憶喪失ですって!あたし、バルバシリア…武神事変-Satellit Reacter-、あたし色に染まらない?」

ヤバい、なんてサメラが思考に入った瞬間、隣人が目を覚ました。「サメラ…っ!……」…彼には刺激が強すぎたみたいで、鼻から赤い液体を噴出しながら、また床に倒れていった。

「フリオニール!」
「ふふっ、もう邪魔するモノは居ないわ、さぁ、あたし色に染まりましょ?」
「いや、そのだな。私は骨と臓物しかないし、魔物にとってあんまり旨くもないが…。」
「ウブなのね、そんなとこも可愛いわね。」
「せっ、セシルー!助けてくれぇええ!」

無駄無駄、あたしと武神事変-Satellit Reacter-の二人だけよ。逃げ場所なんてないわ。ふっ、とバルバシリアの吐息が耳に触れて、サメラはピクリと身を捩らせて奇妙な悲鳴をあげて、天井のランプに頭を打って意識を無くした。



「……っ……サメラ……サメラってば!…」
「ば、ばば、ばば、ばばばばば……?」
「どうしたの?サメラ、バッツに用事?」
「セシル?」

確か、全裸の女がいたはずだが。サメラは首を傾げた。

「こんな道のど真ん中にテント張らないでよね。」

満面の笑みの片割れから説教が始まるのであった。

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