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オニオンナイト

「うぼぁああああ!」

叫び声がオニオンナイトの聴覚を叩いた。隣のティナが、ピクリと耳を澄ませていたが、ティナはここにいて!なんて言葉を投げてオニオンナイトは飛び出した。

「あ、オニオンナイト、」

あの声フリオニールのだよ、なんて声はオニオンナイトの耳に届かない。
オニオンナイトは、がむしゃらに走り声の先に行き着いた。

「サメラ?とフリオニール?」
「オニオンナイトか、ティナと一緒では無いんだな、」
「叫び声が聞こえたから僕だけなんだ、フリオニールはどうしたの?」

いや皇帝が来て、暴れるだけ暴れて帰って行ったんだが、フリオニールがフレアで伸されてな。

「フリオニールもだらしないね」
「年上は敬うべきだ、オニオンナイト」
「…サメラってウォーリアみたい」
「よく言われる」

ま、ジタン達からだがな。 と言ってサメラはカラカラ笑う。

「なんだか、サメラはセシルと似てないね」

笑い方とか、仕草とか、双子って言う割に似てないよね。

「…そうだろうな、」

ずっと一緒じゃなかったからな。
悲しげに瞳を下ろして小さく笑った。

「で、でも似てる所もあるんだよ!」
「気を使わなくていい」

別々に生きていたから、言葉に耐え難い何かはあるが、言わば血を分けあった他人でしかないだろうに。…なぁ、マラコーダ。本物のオニオンナイトはどうした。

サメラの大刀がテントの布を引き裂いてオニオンナイトを切ろうとした。

「チェ!、バレてたのか。つまんねぇの!」
「おい、人の話をきいているのか。」

大刀を突きつけるとマラコーダの仮面がケタケタ笑う。

「を、ごるびーちゃん!」
「知るか!食らえ、炎の刃」
「ちょ、またんか!」

待つか。なんて怒声を投げてサメラは大刀を頭の上に構えた。

「今さら命乞いか?」
「今日はお前に渡すものがあったんだ」
「は?」

間抜けな顔すんなっうの。なんて言葉と共に渡された石が四つ。

「……は?」
「確かに渡したからな、よろしくな。アイツら」

笑顔一つでマラコーダはパシュリと消えた。

「…一体何だったんだ?」

首を傾げながら、サメラはうんうん頭を悩ます羽目になった。

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