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GBA編。(完結)
「こんな男女が化粧なんて…ぇっ!」
朝起きれば隣にセシルがいなかった。ローザのところに行ったのかと思い、サメラはぼんやりセシルとローザを思った。この試練の扉を抜けてからのセシルとローザがやたらベタベタしている。確かに、ローザは蝶よ花よと育てられたお嬢様だが、彼女も軍人である。自分の身もそれなりに守れる。セシルが過保護すぎないか?と思いサメラカインの目線になって考えてみたが、目の前の親友がイチャイチャし過ぎて、段 々 カ イ ン が 可 愛 そ う に な っ て き た で は な い か 。
悶々と考えていると、カインが起きた。

「ん。セシルは?」
「私が起きた時には居なかったが。朝飯をしてるのか、ローザのところに行ってるのか、解らな。」

解らない、と言い切りたかったが部屋のノックに遮られサメラは、いつもの素の表情で、扉を開いた。

「朝ご飯持ってきたよ。」
「…セシルさん、有難う!私達も今から行こうかって思ってたの」
「ほら、サメラさん女の子だから、お化粧とか時間かかるだろうから、早い目に調達してきたんだ」

このセシルは誑しだ。こいつ国王じゃなくてホストのほうが向いてるんじゃないのかなんて思いながら、サメラはセシルから朝ご飯を受け取り椅子に座り、ご飯をかきこむ。

「こんな男女が化粧なんて…ぇっ!」

ブツブツ呟きながら椅子に座るカインの向こう臑を蹴り上げて、優雅にパンを食べた。

「どうかした?カイン?椅子の脚で打った?」

お前がしたくせに、なんて目線を位ながらしらふを続ける。

「昨日は三人でいたせいか、何も起きなかったね、ごめんね、恋人の時間を邪魔して」
「…!…」
「セシルさん、今なんて?」
「え、違うの?」
「「誰が、こんな男女と(竜バカと)」」
「ほら息そっくり!」

このセシル、天然だったか。ほんと、気苦労が耐えないな。とサメラはカインを可哀想な奴だと認識し始めたのであった。

「ねえ、二人ともローザを見なかったかい?見てなかったらいいんだけど、とりあえず今日も二人は昨日の続きよろしくね、」と笑顔で宿屋を出て行った。

「竜騎士、お前も大変なんだな、」
「あぁ」

同情じみた声をかけてやれば、カインの肩があからさまに落ちたのは言うまでもなかった。

「とりあえず、飯喰ったら捜索の続きだな。」

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