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GBA編。(完結)
いや、カインから聞いてたのー!
窓から日差しが挿してサメラの目がパチリと開いた。窓の外を見るために窓に近寄ると槍が落ちていた。

「……血塗られた槍?」
「サメラ、どうした?」
「槍、落ちてた。」

柄をの部分まで血で濡れていて、サメラの手まで赤くなっている。滴る血に、サメラの顔が険しくなった。

「なぁ、事件の凶器は解るか?」
「あぁ、殺傷痕は槍だ……お前…。」
「なわけないだろに、気配の解らない軍人か?」

溜め息混じりで、頭を抱えた。

「…解ってるよ、それぐらい」
「そんな顔で冗談いうんだな。」
「……ふん…」

サメラの手から槍を奪い取り、カインの荷物入れの中に仕舞った。サメラはザバザバ自分の水筒の水で手を洗い流して、視線をカインに流した。

「……何か隠してないか?」
「いや?」
「……ならいいが、な。」

ふい、と体を捻らせて、朝飯して街に出るぞ、とサメラはカインの手を掴んで朝の酒場に向かう。

「バロンの飯は上手い。」

エブラーナみたいに生魚もないし、ファブールみたいに野菜ばかりでないし、ダムシアンのように小麦粉ばかりでもない。色々な種類をバランスよく食べれる。カイン、知ってたか?エブラーナでは、ハシ、というもので食事をするんだ、世界はまだまだ知らない事ばかりだな。バロンのしきたりとかないのか?

「…よく喋るな」
「そういう設定だからな。」

親同士の知り合いなら子供も仲がいいだろう。そういう風に見せてるだけだ、仲がいいと言いながら、無言の食事はどうかと思うんでな。
一気にラストをかき込んで、両手を合わせた。

「さ、ごちそさん。」
「ごちそうさま、でした、だ!」
「礼を持って食うのは変わらないだろうが。」

ぎゃーすか、ぎゃーすか、論戦が始まる。毎日論戦をしてるが、今日はこんな下らない内容だ。毎日の作法が論戦の割合が高い。

「いつもセシルはしてないだろうが」
「僕、がどうかした?」
「「せ、セシル!」」
「あれ、僕自己紹介してたっけ?」
「りゅうき…いや、カインから聞いてたのー!」

素が出かけて視線で気がついた。そうだった、向こうはこちらを覚えないんだった。面倒だな、と頭を抱えて曖昧に笑う。

「じゃ、あたし、先に行くね。ごゆっくり、セシルさん。」

にっこり笑えばセシルも笑い返す、あ、なんだ、やっぱり似てる。と感想を持ち街中に消えた。



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あきゅろす。
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