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GBA編。(完結)
昔戦った蛇の奴じゃねぇか。

「まったく、お恥ずかしい所を…」

兵士長が照れながら…って、コイツ昔戦った蛇の奴じゃねぇか。ちょっと睨みかけたが慌てて眉間の皺を解いた。

「僕らも手伝うよ。カインも襲われたんだ、力になりたいよ」

…いや、ちょっと待て。あの兵士長…確か、ベイタン…いや、ベイカン。…あ、ベイガンが生きてるということは、バロン国王は亀なわけで、ゴルベーザがいて、セシルがパラディンでー。って、どうなってんねーん!

「サメラ。」
「ん?」
「セシル達行ったぞ。」

じゃあ、壱から説明してもらおうか。と言わんばかりに首を掴まれ猫のような移動スタイルで宿屋に連れて行かれた。

「ちょ、猫じゃない!」
「黙って運ばれろ、犯人役として連れ出してやろうか?」
「…シバく。」

不服そうな声色で、今更自分の身長を恨んだ。が、恨んでも仕方ないのでこのまま大人しく運ばれて、時間も時間なので夜餡の席に尽かされる。

「で、この状態はなんだ?」
「なんだって言われても困る。」
「お前!」
「言える事は、今から言う事だ。」

一つ、セシルが私を知らない。二つ、兵士長がかつて魔物であった。
三つ、私の知り合いはカインしかいない。

時間軸がおかしいのは、ここが試練の扉の中だから、という事でいいと思う。判断が難しいがそれでいいと思う。

「だから、って何だ、あの設定は」
「いいじゃない、こういう喋り方は嫌いかしら?」
「お前…」
「ま、疲れるからまったくしないんだがな。…にしても、見苦しいな。お前」

今更だから何も言わないが、サッサとその感情を棄てないととんでもない事が起こるぞ。
おそらく眉間の場所をつついて、サメラはスタコラサッサと、部屋に帰る。勿論律儀に食事代を叩き置いてだ。ベッドに潜り込む。チラリと窓の外を見れば真っ暗で寝てしまおうと判断して、サメラはバッチリ目を閉じると同時にカインが帰ってきた。

「…なぁ。」
「…何?…」
「お前は、何を知っている?」
「セシルと竜騎士がローザを狙っているぐらいか?」

見てても解る恋慕だな。と付け足して、サメラは小さく息を吐き出した目を閉じた。

「おやすみ。」
「おやすみ。」

どちらともなく出た言葉に小さくサメラは吹き出して、カインが幸せな夢を見れるように祈りながらサメラは目を閉じた。



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あきゅろす。
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