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GBA編。(完結)
…実はお姉さんなんだが

「…ん?」

気がつけば、別の場所に立っていた。
水の音と眼前の城でサメラは居場所を明確にした、バロン城だと。
やたら賑やかだな、と思考を巡らせサメラは道の脇に立った。

「急がないと、」
「待って、セシル!」
「ローザ、君は城で待っていて」

ひらり、マントを靡かせて一組の男と女がサメラの前を走り去った。
銀色の髪と、白の鎧、間違いない、セシルだ。
手を延ばしかけて止めた。どうして彼は私の名前を呼ばなかったのか、片割れならば一応は声をかけていくだろうに、不思議に思ったサメラは、一つの答えに行き着いた。試練の扉の中は、別の世界のようになっているのか。
一旦は、セシルの記憶喪失も疑ったがその横のローザの名前は呼んだから、そんな線も捨てて、サメラは迷わず、バロン城下に走った。

セシルのあの慌てようから見たらなにか起きているのだろう、と判断して、サメラは足を休めず城下に流れこんだ。

城から街まではそうも時間が掛からず、真っ直ぐ石畳が延びているのでサメラは迷う事なく入り口についた。

「…!」

街の隅で、セシルを見つけた、傍らにカインがいるので後でそっと前を通り越そうと決める。いや、名前を呼んで無視されると、それはそれでショックなのでこうしようと決める。
彼らの表情を見ると険しいので何かあったのだろう。平然と、街中に入り込んで、町娘と会話をしてみると、どうやら殺人…殺兵事件があったらしい。そっと覗いてみたら、血の気のない白い腕が見えた。

「この事件だからね、町を閉鎖するみたいよ?大丈夫なの旅人さん」
「あ、しばらくはこの町で商売しようかなと思ったらからね。」

口から平然と、嘘が出る。うん、芝居は上手いのはこういう時に役立つ、なんて今までの苦労がなんか報われた気がした。

「あら、お兄さん商人なの?」
「…大道芸人だまた近いうちにやるから、よろしくな」
「楽しみにしてるわ、お兄さん!」

…実はお姉さんなんだが、まぁいいか。投げやるように、サメラは町娘と別れ事件現場にあるいていった。

「大道芸の準備ないが、なんとかなるか。」

宿屋の手配してから竜騎士と合流するか。と頭を切り替えて、サメラは欠伸を一つ漏らした。


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あきゅろす。
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