GBA編。(完結)
「可愛げのない女に守られるなよ」
「行くぞ。」
おー!。妙な勢いで試練の扉をくぐり抜けようとしたが、金の光に遮られ何人か弾きとばされた。
「あ、」
「きゃっ」
「ん?」
「きゃあっ」
「…」
「ぐえっ」
上からセシル、ローザ、エッジ、リディア、カイン、サメラ。の綺麗なミルフィーユが出来上がる。
「なにが起きたんだ?」
「解らないわ。」
「なんだ?今の!」
「エッジ、暴れないでよ」
「というか、早く起き上がるという事をしてくれないか?」
四人も揃って、上に乗るな。と言わんばかりの眼光を走らせ、一瞬にしてサメラの上から人がいなくなった。
重くて死ぬと思ったとサメラは胸をなで下ろした。
……ぬ…
「なにか言ったか?」
「飛竜のごとく天翔る騎士と一人の同行者に、この扉は開かれん。他は開かぬ」
「なんだって!」
俺様の華麗な活躍が出来ねぇってか!さっきまで一人につき一つと言っていた奴の台詞かエドワード!。頭を一回叩いて、サメラは迷わずカインを見た。
天翔る騎士、の下りでサメラは竜騎士だと判断したからだ。
「どうする、だれか一人って言ってたけど。」
セシルの言葉にカインが言葉を返した。サメラと行く。と。
……ん?…なんだって?
「サメラなら、魔法使える。それに腕っ節も強い、召喚魔法がなくても大丈夫だ。」
幻獣だって倒したんだ、平気に決まってる、と言い切った。いや、連れてかれる身になれよ。なんて思いサメラは荷物の確認をする。回復も補助もなにもかもが自分の腕にかかるのだから、いつも以上にやらないといけないんだな、と思いサメラはため息をついた。
「わかった、行く。」
「サメラ。」
「すぐ帰ってくるさ。」
サメラ。と呼ばれ、カインの隣に位置ついて二人で、扉をくぐる。
「サメラ、」
「ん?」
「危険だと思ったら逃げろよ」
「生憎、逃げるような女じゃないんでな。」
皮肉な言葉を投げやって、後ろの扉が閉められた。逃げる道は塞がれた。退路はない、小さく震える手を抑えながら、サメラはゆっくり息を吐き出した、
「行ってきます」
「なにか言ったか?」
「いいや、別に。」
「可愛げのない女」
「可愛げのない女に守られるなよ」
皮肉の舌戦に、扉の向こうは恐怖を覚えていたのは別の話、
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