GBA編。(完結)
「サメラさん?」
…むぐっ…!
声が聞こえたような気がする、誰の声なのか分からなくてサメラは一気に駆けだした。
「おい、サメラ!」
無視。ものっそい無視して、街中を走りぬけた。北へ北へ走り階段を越えると、黒い影がサメラの横をすり抜けた。微かな血のにおいをまとわせた不審な人物は南に走って行った。
「竜騎士!先に行け!」
素なのは、この事態がとんでもないことだということを察知しろ。つかまれそうな腕を振り払って、180度の急転回して黒い影を追いかける。
後ろのカインが追ってきそうなので、脅しをかけて道路一面に氷を張る。人に当たっていないことを気にしながら、サメラは町の中を駆け抜けた。
南に南に走っている影を追いかけて、いたら黒い影は大きな跳躍を一つして、屋根の上に飛び乗る。あのフォームはよく見て覚えている。
「…竜騎士だと?」
サメラは眉をひそめた。
「サメラさん?」
「あ。セシルさん。どうも!」
「すごい形相で走って行ったから、気になって」
「犯人みたいな不審者を見えたから追ってきたんですけど、見失っちゃって」
「サメラさん」
むっとした顔でセシルがこちらを向いた。
怒っているかも。なんて思いながらなんですか?と、平然と答えた。
「サメラさんも女の子だから、そこまでしなくていいんだよ?」
「わたしも一武人として戦いたいんだ。」
「軍人だったの?」
「キャラバンの用心棒をして魔物を狩っていますが?」
「それも、何人かででしょ?」
「いいや、一人でですよ?」
戦うことには慣れているんでと言えば、もっと顔をしかめた。
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