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僕らとは折れる所が違うんだよ。

「あ、サメラ…行っちゃった。」

どこから出したか解らない武器を持ち、駆け出してセシルがサメラに声をかける前に、もう見えなくなった。

「サメラ殿の様子がおかしいですな」
「多分、サメラもサメラでローザの事を気にしているみたいだよ」

パロムやポロムの時もあんなのだったからね。妙に記憶がすっぽ抜けてたからね。
困った様に放って、視線を落とした。

言わないから。サメラは。
しっかりと胸の中で受け止めて、前をみてるよ。僕らとは折れる所が違うんだよ。

「だからこそ、悔やんでるんだよ。多分。」

自分の知らない所でいなくなるのも。
目の前で消えられるのも。悲しいから。

静かに瞳を伏せて、初めて出会った時を思い出した。

バロンの襲撃にあった町の中で。
唯一生きている銀を持つ人。
静かに燃える赤の中で一人。
息絶えた人を思い町の中央に質素に埋葬して。
冥福を祈っていた彼女。
発ぜる中で、銀がなびいて。
青が重なった時。
静かに泣いている様に見えた。



「……さぁ、僕らも行こうか。」

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