ダークドラゴン
袋の中の小太刀を取り出して、投げる。勢いよくそれはダークエルフに刺さる。
抜き取る暇を与えずに、懐に飛び込んで小太刀に体重をかけて下に下ろす。
抜けきると、横に飛んで、距離を図ろうとしたが、進行報告からダークエルフの拳が飛んだ。
「っあ…!」
「クソ…ナラバ、スガタヲ、カエルシカ、ナイ!」
光を放って、ダークエルフはダークドラゴンに姿を変えた。黒の龍は宙を駆け巡り、飛ぶ。
「サメラ、」
「解った。」
セシルの声に返事をしてサメラは地を蹴り、走る。ダークドラゴンがサメラに気づいて牙を向ける。
「掛った!」
その声と同時に、体全体のバネを使って真上に跳ねた。ダークドラゴンの視線も上がるのを見たセシルは、サメラと同じルートで駆け出して、剣を振りかざす。
引き抜くと、首元に貫通孔をあけているのがハッキリ伺える。暴れて、尻尾は地を叩き痛みに叫びながら元に戻り地に伏せた。
「クク…ナゼ アノオトガ ココマデ クリスタルサエ アレバ… エイエンノ イノチガ…グガゲゴ!」
最後に奇声を残してダークエルフは光になった。
「やったのか?」
疑問を声に出せども誰も答えない。目の前のには、土のクリスタルが静かに光を放っているだけだ。
「やったぞ、ギルバート…!」
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