剣さえ使えれば…!
「オマエタチ ヨク ココマデ コレタナ!」
カタコト言葉を耳にして、気を引き締めて視線をダークエルフに動かした。
「ダガ タドリツクコトハ デキテモ ツチノ クリスタルハ オマエタチノ テニ モドルマイ。」
そんな装備で私に勝てるとでも思うのか。
悪役の決まりの言葉を耳にして、戦闘の体制にはいる。
「セシル殿!」
「ここは私らにまかせておけい」
ヤンとテラが前に出て、構える。そんな二人を追うように、ゆっくりとサメラは槍を手に前に出る。
「何があっても、邪魔をするなら切ればいい」
生憎大刀は宿なのだがな。
冗談混じりに笑って、サメラは腰を低く下ろした。
「ソロソロ コチラカラ イクゾ…ファイラ」
ダークエルフが指を振るのと同時に、赤い炎が舞う。
「クッ、剣さえ使えれば…!」
セシルの声が耳にとどくのと、ダークエルフの変な笑い声が聞こえる剣さえ使えれば、この戦いだって有利になるのに。
どうすればいいんだ。
最善を考えていると音が流れてきた。
優しく細い竪琴の音色。
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