磁力の洞窟。 「無事だったね。」 「だな。」 「で、サメラ。」 どうして、取り乱してたの? とセシルの一言に、ピタリと足を止めて、サメラはセシルを見た。 「聞きたいのか?」 「うん。」 「磁力の洞窟がな。」 ダークエルフの力により、洞窟には金属製の武器防具を身につけては、動けなくなる。とトロイアの神官からは聞いたな。 「うん。」 「金属は、騎士系統の職種が装備する鎧、剣に大抵入っているものだな。」 それが故に、身動きがとれなけなって、為まいには生命の危機さえも及ぼすモノだ。金属製の武器防具を身につける者として、普段の装備で、そこに侵入すれば、どうなるか理解出来るだろう。金属製の武器防具を身につけ、洞窟に入ってみろ。終りだ。 「厄介なモノが、クリスタルを持っている事を知っていたから、ゴルベーザが取引を持ちかけたのだと私は思っている。」 …幸いパーティには金属を必要ではない人間がいるのが、救いだな。 視線を動かして、だから行きたくはないんだ。と呟き小さくため息をついた。昔を思い出してか、苦笑いを溢し、背負っている剣を下ろし荷物の中にしまいこんで、荷物から弓矢を取り出した。 「仕方ない行くか」 [*前へ][次へ#] |