[携帯モード] [URL送信]
とりみだし。

面談が無事に済んで扉が閉まった刹那、サメラは頭を抱えた。ゴルベーザが取引に持ってくるんだから、良くないものだと解っていたのだが、ここまで悪いとは!

「やはりな。なんとなく予想はしていたが…!」

長い銀の髪を掻き乱して、狂乱している。取り乱したサメラをなだめる様に取り囲む。

「どうしたんじゃい!取り乱しおって」
「サメラ殿!おちついて下され」
「磁力の洞窟なんて、だからゴルベーザが取引なんかを持ち出したんだ!」
「サメラ、おちつかんかい。」
「今回の洞窟に関しては、私は不参加にさせてもらう。」

あんな所に行くならば、私はトロイアに止まって、ギルバートやリディアの情報を集めにいく!

「あのぉ。」

揉合いの最中、一人の兵がおずおずと入って来た。

「話は聞かせて貰った。ギルバートとは、ダムシアンの生き残りの人間か?」

場内にダムシアンの生き残りが流れついているらしい。本人は王子と名乗っているらしいが…今は、医務室で寝ている。

「…ギルバートが!」
「……すまない。取り乱して悪かった。セシル、医務室に向かおう」

パタパタ鳴らしながら、一行は走り出した。


[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!