いざ行かん。
「宿の手配もしたし、武具も新調したし、トロイア城に…。」
「来ちゃってるから、サメラ。もう、することの予定は無くなったから」
慌ててセシルが言葉を足す。そんなセシルにあぁ、そうだっけ?と簡素にサメラが答えた。
「さぁ、いざ行かん!」
「討ち落とすみたいな言い方じゃのぉ」
「目指すは、神官。」
ポソリポソリと会話をしても、サメラは聞く耳を持たない。持とうとしない。
そんな会話をした数分前。まっすぐトロイアの8人の神官の元に向かい、目通りを問うとすんなり、神官たちとの面談が開始された。
「クリスタルがダークエルフに盗まれて」
「土の恵みを授かっていたのですが…」
「差し上げることはできんが貸すことぐらいはできるじゃろう」
「磁力の洞窟は……」
難しい顔をした8人の神官の話はまとめれば、こうだ。
土の恵みを授かる土のクリスタルはダークエルフの手によって奪われ、東北の洞窟に居を構えてるらしい。その洞窟の中では、金属制の武器防具を身につけると動けなくなる。
そのダークエルフを討伐し、クリスタルを回収して持ってくれば、貸してくれる、だそうだ。
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