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いざ行かんトロイア。

細かく詳しく聞いたのは。

双子の小さな魔道師の話。
夢の艇の話。
それからトロイアのクリスタルの話と。
ゴルベーザとの交換条件。

双子独特の賑やかさが、ぱたりと無くなって寂しい。だけど、二人の意思で決めた事だ。口を出していいはずがないし、既に済んでしまった事だ。それに、魔法でなったなら魔法で解けるに決まってる。

飛空艇の後ろの方で、流れる景色を眺めていると、足音が聞こえた。

「サメラ。」
「セシル、か。」

静かに瞳を降ろすと、視界に銀が入る。

「大丈夫?」
「そういう風に見えるのか?」

皮肉げに聞き返すと、そうだね。サメラのほうが双子と付き合いが長いもんね。と返された。
気まずい空気が流れて、サメラはそっと話題を変えた。

「…結局トロイアに向かうのか?」
「そうだね。うん」
「…トロイアに、リディアとギルバート達は居ればいいな。」
「あぁ、そうだね。」

ぽつり、ぽつり、と繋がる会話を拾いながら、視線を落とす。
視界に利き手が入って、そういえば、と言葉を続ける。

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あきゅろす。
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