あ、あばれるな。
「古い水路のわりには、水瓶濁ったわけでもない。…魔物がいるみたい、じゃな。」
…水生か。と呟いて、サメラはザブリと見ずに足をつけた。水の深さは、浅めではなく。かといって深いわけでもないが、サメラの隣にいる双子の魔道師の顔付近の水位故か、ずぶぬれに近い。サメラがポロムを背負って、パロムはヤンに肩車をしてもらっている。
セシルが背負うと申し出たのだが、セシルに背負わせれば、色々刺さるような気がして、テラと共にそれは、反対した。
「ポロム、寒くないか?」
「サメラさん、暖かいですもの。」
「とりあえず、持っておいたらいい。」
暖になればいいと、荷物から、炎の棒を取り出して。ポロムに持たせる。…勿論、攻撃としても使えるが、あんまり勧めたモノではない。
「行こう。ポロム、乗って。」
屈んで、ポロムに背中を向けると、小さな細い腕が首に回すのを確認してから、ポロムの膝の裏に腕を通して、立ち上がる。
「何か有ったら、直ぐに。」
「えぇ、解りましたわ!。」
「わ!、揺れ…!」
バシャン!
水を飛ばしながら、サメラは水底に沈む事はなかった。
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