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ただいま。へ?どうしたの?
「あんちゃん帰ったぜ!」
「案外早かった……って、一体どうしたんだい?サメラ?」

首を傾けて、セシルが問うた。
濡れ鼠のサメラを見ての疑問に、迷いもなく答えた。落ちた。と。

「落ちたって、大丈夫?」
「浅かった」
「浅い、深いの話じゃないじゃろうに。」

冷静に放つサメラに、賢者テラが話に入る。確かにソレが正論である。サメラはそんなのを右から左に受け流しながら、もぞもぞと甲冑を外す。

「怪我は無い。」

荷物の中からタオルを取り出して、癖のない長い髪をパサリとなびかせ、ガシガシと水分を取り除いていく。勢いのいい所為で、肌はほんのりと赤々としている。

「大丈夫?」
「…大丈夫だ。」

髪の毛から水気を取り除いていく最中、パロムが、何にもない所で転ぶなんて変な姉ちゃん…。と呟くのを聞き逃さずに、間髪を入れずに。変で結局、ポロム晩飯の準備一人分要らないってさ。楽になるな。と言うとパロムが慌てるのが視界の隅で伺えた。
日向に、甲冑を置いて、茶の用意をしだした。

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