[携帯モード] [URL送信]
私と彼の違い。

「ほら、ちゃんと乾かさないと風邪ひくから。」

彼は私と似ていると言う。
だけれども、
私は彼と似てないと思う。

ガシガシと力強い男性特有の力。
タオルから伝わる暖かな生ある、証。
人として生きる意義を、知っている。
私とは違う癖のある、銀色。
そして同じようで違う優しい、青色。
それからくしゃりと弱々しい、笑顔。
不思議と人を引き付ける、性格に。
真っ直ぐに曲げようとはしない、意思。
軍人だった所為か、大きな手。
騎士とは思えない、線が細い人。
優しい心遣いと性格を表すような声色。

ほら、これだけも違うんだ。
似ているはずがない。

「セシル。ありがとう。」
「どういたしまして。」
「今日は、もう寝る。おやすみなさい。」
「また、明日ね。サメラ。」

優しい声色に、甘えそうになる自分を叱咤しながら、優しくパタリ。と扉を閉めた。
部屋に戻ってから、甲冑を忘れたと後悔する。


[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!