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考えている事。

パタリ、と扉が閉まって部屋にはセシル、ヤン、テラが残された。遠くに消えゆく足音を聞きながら、窓側に持たれかかるセシルは、窓の外を見て口を開いた。

「ああやって、見ると。サメラって母親気質だよね」
「あやつらにも好かれとるからな。」

セシルが窓の外を見れば、双子に引かれ後を歩くサメラが見える。その姿を見ながら、セシルはぽつりと呟いた。

「サメラって不思議だよね。」
「サメラ殿が?」
「なんだか、似てるんだ。僕と。」

外見じゃなくて、考える事が。
戦闘の時も、すぐに意思を汲み取るのは、サメラだし。言いたい事も理解してくれる。

「つい最近に知り合ったのに。よく理解してくれるんだ。」
「気のせいじゃろうが。」

そんな風には見えん。ふん、と鼻を鳴らして、椅子に腰を下ろした。

「多分、パロムやポロムに気をかけてるのは、何かをしてないと気が紛れないからだと思うんだ。」

何を考えているのか、解らないけど。多分、僕らよりもしっかりと現実を受け止めてるんだと思うよ。サメラは。

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あきゅろす。
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