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話は割愛して。

話は割愛して。デビルロードの終着が見えた。

ふわり、と浮いていたのが、急に無くなって落ちる。
真っ直ぐ、重力に従って、だ。スタ。と地面に着くと、サメラは辺りを見回した。……あんまり、長距離を移動したという感覚がない。…空も海も見た気がするが、いつもと異なる手段だった所為か、予想以上の早さに、目が追いつかなかったみたいだ。

「姉ちゃん、顔色悪い。」
「「大丈夫、デビルロード酔い。」」

隣を確認すると、セシルも同じ様にテラと話しているのだった。…よく、飛空艇団団長が勤まるな。脳裏をよぎる疑問を、無視して、サメラは大きく息を吸った。

……ほこり臭い。
しばらく閉鎖されていたのだから、当たり前なのだが。
先に外に行く、と残し、酔い冷ましの為にフラフラ、とそこから出ると、町だ。

ミシディアと同じぐらいの栄えた町。軍事大国の麓の、人気のある、普通の町。
思ったよりも、賑やかな、騒がしい町。

「……予想外、だな。」

頭を傾げて、視線を動かす。
町の北に、大きな城が一つ。右手側の草むらの中に、扉が一つ。辺りを見ながら、建物を見ると石造りの家が四五軒があるし、耳を澄ませば水音が聞こえる。


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あきゅろす。
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