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矛盾する人。

「結構、きつくない?」
「破産がいいのなら。」

その言葉を聞いて、セシルがうわぁ。と苦言を発する。そんな隣でフンと鼻で笑う。

「値切り交渉だって、誰も出来ないだろう。」
「そうだけど……」
「武具をキッチリしておかないと痛い目にあうのは、自分自身だ。」

理解しているだろう?騎士殿。と皮肉を混ぜ、急ぐ気持も理解できるが、急くのは良くない。と諭す。

「今日中に急げばミシディアに付くな。」
「今の、急ぐなっていったじゃないかサメラ。」
「人間かならず、矛盾するものだ」

しらっと、言葉を流す。
言った事としようとすることが違いすぎる。

「それに、柔らかなベッドで寝たくないのか?」
「それはそうだけど……」
「なら決まりだな。試練の山の付近にチョコボの森がある。」

めざすベキはそこだな。ニヤリッとして、サメラの歩く速度が速くなる。…必然的に、セシルが置いていかれる訳で。

「サメラ?」
「……速くしなければ、置いていく。」
「あ、ちょっと、置いてかないて!」

鎧を鳴らしながら、サメラに追いつくようにセシルが走る。


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あきゅろす。
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