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流された人。

「……ちゃ…、姉……ん!」
「…あ…う?、パロム。」

ゆるゆると意識が浮上して、視界の中心にニッコリと笑う双子がいる。

「寝てた。」とそっけなく言って、立ち上がる。
捻った足も、嘘の様に痛くなくポーションって、内傷にも効果があるのか、と考えた。

「…セシルは、どうだった?」
「セシルさんなら、もう来ますわ。」

そう。と口に出して、双子の頭を撫でると、二人とも嬉しそうに頬を緩めている。
そういえば、リディアは元気か。この子達と同じぐらいの召喚師を思い出して、視線を落とした。

この広くて狭い世界で、一人きりなのだろうか。比較的弱い魔物がいる地域ならいいのだが、何も無い島の強い魔物がいる様な場所に流されていないか心配だ。あわよくばギルバートやヤンと同じ所に流れ着いていたら、良いのだが、現状はそう甘くはない。

そんなサメラの思考を中断させたのは、パロムポロムよりも後を歩いていたセシルとテラだった。

「ただいま。」
「サメラ。今、帰った」
「お帰り」

右側にパロム、左側にポロムが位置付いて、手を繋いいて、先程とは違う姿のセシルを上から下まで気付かれない程度に眺めた。



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