暗黒騎士の戦いかた。
「サメラ。」
すっと、体を反らすと元居た場所からセシルが跳んでスカルミリョーネに刀傷を負わす。
実際にこの目で暗黒騎士特有の攻撃を見るのは、始めてだ。己の感情を変換して使う技だから、こそリスクは高い。と聞いていたが、サメラが頭の中で思い描いていたものは、かなり近い図を描いていた。
身体の損傷が激しいと聞いていたので、セシルにかかる様にスカルミリョーネにハイポーションをかける。
そしたら、光が弾けてスカルミリョーネがよろよろと動いて、後退し、崖から落ちた。
「終ったのか?」
「多分、そうだと思う。」
手放しで喜ぶパロムとポロムを見て、サメラが胸を撫で下ろした。
「あんちゃん!姉ちゃん、速く行こうぜ!!」
「……いや、私は遠慮しておく。」
私はここで、一息ついておくから、見に行って来たらいい。
一言付け加え、大刀をしまう。
「外の風に当たっておくから、気にしないでいい。」
「でも……」
「おとなしくしているから。」
ポロムの視線と同じ高さまで屈んで、頭を撫でてポロムを説き伏せる。
「行ってらっしゃい。」と、力なく手を振り、セシル達の背を見送る。
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