[携帯モード] [URL送信]
土のスカルミリョーネ

「ゾンビ系が4体、か。」
「サメラ。」

分かっている。と一言放ち、アンデットの山に飛び込んで、スカルナントにハイポーションを叩きつけてから大刀を振り回して、きりつける。

「姉ちゃん!!」

背後から、名前を呼ばれて小さく返事をしてから、思いっきり後ろに飛ぶ。瞬きの差で、そこに炎が舞う。

「サメラさん、大丈夫ですの?」
「平気。」

銀の髪を一つにまとめて、長い髪を甲冑の中に詰め込む。

「ラストスパートをかけよう。」
「あぁ、行こう。」

互いの武器を手に取って、セシルと二人で大きく土を踏みきって武器を振りおろす。

「二人とも気をつけぇい、ファイア。」

セシルと頷きあって、スカルミリョーネを踏み台にして蹴って飛び退く。
ふたたび、炎が舞ってスカルミリョーネが包まれる。炎の中で、悶えて声が聞こえる。

「ううっ!体が崩れていくううっ!」

勢いが落ち着くまで、みんなで、じっと見守る。揺らめく炎の中で、動く手を見るとあの燃えた町を思い出した。

「サメラ。どうしたんじゃ」
「あ……何も。」

剣を持つ手が震えている。そっと持つ手を変えて、炎を見据える。

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!