土のスカルミリョーネ
「ゾンビ系が4体、か。」
「サメラ。」
分かっている。と一言放ち、アンデットの山に飛び込んで、スカルナントにハイポーションを叩きつけてから大刀を振り回して、きりつける。
「姉ちゃん!!」
背後から、名前を呼ばれて小さく返事をしてから、思いっきり後ろに飛ぶ。瞬きの差で、そこに炎が舞う。
「サメラさん、大丈夫ですの?」
「平気。」
銀の髪を一つにまとめて、長い髪を甲冑の中に詰め込む。
「ラストスパートをかけよう。」
「あぁ、行こう。」
互いの武器を手に取って、セシルと二人で大きく土を踏みきって武器を振りおろす。
「二人とも気をつけぇい、ファイア。」
セシルと頷きあって、スカルミリョーネを踏み台にして蹴って飛び退く。
ふたたび、炎が舞ってスカルミリョーネが包まれる。炎の中で、悶えて声が聞こえる。
「ううっ!体が崩れていくううっ!」
勢いが落ち着くまで、みんなで、じっと見守る。揺らめく炎の中で、動く手を見るとあの燃えた町を思い出した。
「サメラ。どうしたんじゃ」
「あ……何も。」
剣を持つ手が震えている。そっと持つ手を変えて、炎を見据える。
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