ある朝の賑やかな日。
賑やかな声で、セシルは目を覚ました。辺りを見ると誰も居ない。どうやら自分が一番最後のようだ。旅に合流前にサメラが奮発してまとめ買いで大量に仕入れたらしいコテージ(…サメラが合流後は野宿の時はずっとコテージな気がする…)の外で、…誰かが魔法を使っているらしい。自分以外のメンバーなのは、理解しているが。
「…むむむ、ケアル!!」
「サメラさん、それは……」
「じゃあ、こうか」
「だから姉ちゃん!!」
「サメラ、そこが違うと言ってるじゃろが」
こっそりと、セシルが覗くと何度も腕を振るサメラの姿が見える。……どうやら、ケアルを使おうとしているみたいだ。
「けっ、ケアリュ!!」
「呪文で噛むなよ姉ちゃん」
「……もう、私が使わなくても大丈夫だよな。パロム」
「何を言っとるんじゃ。サメラ」
頑張れば出来ます!!とポロムが慰めの言葉をかけてくれるのを、うんうん。とサメラが流して、平然と、している。
「セシル、おはよう」
「おはよう。…で何をしてるの?」
魔法を使わないサメラがケアルなんて文字が出るのが珍しいと思った。
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