世界の物差しが私を決める。
「サメラはそれでいいの。本当に。」
「良いわけないに決まっているだろう。改める為に旅をしているんだ。」
世界の物差しが私を決める。
その中でどう生きる。
「兄が一人。片割れが一人。」
町長には、生きていれば兄弟がいると聞いた。産まれた町が近くだった。知ってても不思議はない。…兄弟が事実か否か解らないが。とりあえず、生きている事を願う。
「生きているといいね」
「どこかで、生きてるさ。」
「サメラさん。」
「姉ちゃん!」
パタパタと足音を鳴らしながら、双子の魔道師がやって来る。それに、どうしたどうした。と駆け寄る二人の目線に屈む。
「結界ありましたの!!」
「俺が見つけたんだ。」
年相応の笑顔を振り撒く二人の頭を撫でて、偉いな。と返す。
彼女は、いつも最後まで話を聞いてくれるし、投げた質問にも丁寧に答える。例えそれが、子どもに悪い質問であれど。恐らく、それがパロムやポロム、そしてリディアから好かれてる理由なのかもしれない。と先に行くサメラを見ながら弾き出した答えだ。
「セシル、行くぞ。」
「あんちゃん、速く!!」
今、行く。と手短に応えてセシルは足を早めた。
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