……フシュルルル……。
「僕はパラディンになるためです。暗黒剣ではゴルベーザを倒すことはできないらしい。それに、僕も忌まわしい暗黒剣とは決別したいんです。」
視界の端でコソコソと会話をする二人の間を割ってみた。
あんた何にも知らないのね!バロンを動かしてるヤツよ!!ね、サメラさん。……どうやら、ゴルベーザに対しての質疑だったらしい。とりあえず、同意に曖昧に答える。
「パラディンか。睨んだとおり、この山には何か隠されているようじゃな!わしも共に行くとするか。…待っておれゴルベーザ!」
力強い声が、試練の山に響く。…ザァッ、ザァァッ、ザッ…やまびこも響いてる…。
……フシュルルル……。
「何か言った?セシル」
「いや、何も言ってないけど。」
「…気のせいか。」
気のせいなら、いい。ふるふる、と首を振って、何も無かったかのように振る舞って、何事もないように話をする。
「そろそろ、休憩所があったから、そこで今晩をすごすか?」
「そうだね、そうしよう。」
「あぁ、分かった。…ねぇ。サメラ。」
呼び声に応えて、振り向いて、どうした。と声をかける。
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