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表情は「なんだって」だ。
「一国一城の王の丈夫さとその仲間の安否が聞けたら幸せだ。」
「か。俺もいく。」
「…そうか、じゃあ達者で…はい?」

文字通りの二度見とはこの事であろうか。ポカーンと口を開けて物語る表情は「なんだって」だ。

「俺も出る。すぐに荷物を持ってくるから待ってろ」
「いい。死に場所探しの旅だ。二人で行かなくてもいい。」
「強がってるだろ」
「…強がってなんかない。」
「嘘吐いてるだろう」

真っ直ぐ射抜く青に、何も言えなくなってヤケを起こす。

「あぁそうさ、強がってる。他を無くすのが恐いから強がるんだ。」

思い出も、記憶も、仲間も、全て。
失いたくないから、強がってるんだ。

「決めた。お前は勝手に死に場所探しでもしろ。俺はお前について行ってお前の生きる意味を探してやる。」

線の細い指がサメラを指し示すのを見てサメラは小さく口角を上げた。

「そんな簡単に意思は曲がらないがいいのか?」
「あぁ、それでもだ。」
「じゃあ、勝手にすればいい。」

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あきゅろす。
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