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「…なんて馬鹿なんだろうな。」

「…セシル。これでよかったのかな」

抱きしめる形で耳元で囁く。
見えない表情は、多分悲しげに物語っている。

「にいさんと、離れてよかったのかな。」

私が月に残らなくて。
にいさんの周りには、血族は伯父にあたるフースーヤだけでしょ。
にいさん、寂しくないかな。
多分、にいさん。寂しがり屋なんだよ。

バブイルの塔にいたとき、ずっと気にして
武神事変-Satellit Reacter-、武神事変-Satellit Reacter-って。
ずっと誰かを呼んでたんだよ。

優しい、ひと。なんだ。

もっと話せば、にいさんはあの星に帰れたのに。
どうして、もっと話さなかったのだろう。

悲しげに叫ぶ声は、痛切な思いに聞こえる。
魂の叫びのような印象さえ受けた。

「サメラ。」
「…なんて馬鹿なんだろうな。」

家族がいれば幸せだと思っていたのにな。と嘲笑いながらサメラは瞳を伏せた。

「サメラ。泣かないで。」

にいさんは、多分何かがあったら駆けつけてくれるよ。

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あきゅろす。
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