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そこまで、仲違わぬとならないのか?。

そう聞かれたサメラの頭は混乱していた。
知らない未知の兄が進む道か。
勝手知りたる片翼の進む道か。
今までの会話は聞き流してた。
罪が云々と聞こえてもいた。

「…そこまでもして、離れないと、駄目なのか。」

そこまで、仲違わぬとならないのか?。

「セシル、……」
「サメラの好きな方を選べばいいよ。」
「ご……セオドールにいさ、ん。」
「私は何も言うまい。」

頭の上に置かれた大きな手は暖かくバブイルの塔を思い出して、笑いあう事も出来ないのか、と酷く感傷に浸った。

「武神事変-Satellit Reacter-…サメラだったな。幸せは自分で決めればいい。」
「…そう。…にいさん。なら、私は帰る。片翼が待つ青い星に。片翼と共に。」

そっと手を伸ばせば、兄は優しく包んでくれた。暖かくて強かな強さの武人なのだと理解した。

「じゃあ、ね。にいさん。また、いつか。」
「サメラ。元気でな。」

いつかまた会える事を祈って手が放たれた。

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