青が散る。
「星がくる。守りを固めて。」
星が体を射る。炸裂しすぎて薬瓶も駄目になってそうだ。体中を鈍い痛みが走る。鳩尾にも一発入ったみたいで息苦しさも覚えて膝をつく。口の中に苦い鉄が広がる。
「サメラ!」
泣き叫ぶようなローザの声に反応して指さされた先を見ると、今までで一番大きな星。あんなの喰らったら、ただじゃ済まない気がする。
「…っ。」
静かに瞳を閉じて、終わりを迎えようと心静かに待った。だけども、終わりは一向に来ない。
ほんの少しだけ、目を開けて驚愕を覚えた。
青が星と衝突して、青は地に落ちた。
「か、いん。……?」
放つ言葉が虚空に消えて、目の前の色彩が、白黒に変わった。一瞬が永遠にも感じられる。
「カイン。」
相棒さえもそっちのけで、なりふり構わずに、カインのそばに走る。
蒼鉄に赤が不気味に感じられた。
「カイ、ン。今…回復するから。」
「また、泣いてるのか。泣き虫。」
青の篭手が頬をふれる。鉄独特の冷たさが頬の熱を奪っていく。…ただ恐怖。また、何を亡くしてしまうのが怖い。
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!