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心が痛いんだ。

「倒すよ、お前たちを」
「っ!?」

ゆらりと揺れた上半身。それから勢いを増して、エッジに切りかかった。
構えてない状態だったから間一髪で避ける言葉出来たが、これが構えていた状態なら、確実に首は無かったと思う。

「…操られてるのか?」
「多分、だから凄く−−」

心が痛いんだ。
双子独特の伝わる何かが、痛さを増す。言葉に代え難い独特の痛さ。

「みんな、もう動けるよね。」
「サメラ?」
「先ずはサメラからだ」

サメラの強さは知ってる。この中で誰よりも強い。だからこそ先に手を討たねばならない。

「セシル」
「大丈夫、とにかく僕達でどうにかしなければならないんだ。カイン、エッジ。行こう」
「…あぁ」
「リディア、サメラにトードとブレイクを。」

テキパキと指示を出して、最後に一言を放つ。たぶん、きっと、ゼロムスを倒したらサメラも元に戻るよ。小さな予測をつけてセシルはサメラを見た。
正気に戻る片鱗はない。

「時間稼ぎを僕らがするよ」

リディアの頭に置かれた手は、優しく暖かなものであった。

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あきゅろす。
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