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鳴らす足音は天使かはたまた悪魔か。

「サメラ?」

青が振り返って仲間を探した。だがそこには、なにもない。静かな闇がそこにあった。

「暗黒の道を歩んだお前がクリスタルを使おうが、輝きは戻らぬ!暗黒に回帰するのみ!死ね!…苦しむがいい…滅びるがいい…全てを消滅させるまで…我が憎しみは続く…今度はお前達の番だ…来るがいい…我が暗黒の中へ…!」

黒い光がはじけて、勢いが増していく。
視線の先に黒い甲冑。苦しげに手を伸ばして、セシルに手を伸ばす。

「に…兄さん…!」
「セシル…こ、これを…!お前が…使うのだ…!ゼロムス…!負ける訳には……いかないッ……!」

静かに光を放つ石は、輝きを増して祈りを連れて希望と絶望をもたらすのである。

「月の民の娘子よ、我が命に依りて戦え。」
「……はい」

自分たちの真後ろから聞こえる細い声。静かに、鳴らす足音は天使かはたまた悪魔か。

「我が願う、我が君よ。」

静かな青。
不屈の銀。
静かな女。

「サメラ……」
「全ての命を全うす」

サメラ・ルドルフ。彼女本人で間違いはない。

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