一緒なら怖い夢見ないよ!
「そういえば言ったな。」
守がために私はいるんだ。守りたいから、一緒に旅をさせてくれ。と小さな存在意義の証明。
あの時から私は変わらないままでいる気がする。
「サメラ。」
「どうした?リディア」
「じゃあ今日は手を繋いで寝よう。」
一緒なら怖い夢見ないよ!春の日差しのような笑みを引き連れたリディアはサメラの手をつないだ。自分の手が冷え切っていた所為かしてリディアの手がとても暖かい。
歪んで見にくい世界の中でいてくれた幼い太陽は今も変わらないまま、同じ笑顔を向けてくれる。
「そうだな、一緒にな。」
前みたいにクシャクシャに撫でる事が出来なくなってから、仕方なさげに手を繋ぐ。
地底以来、リディアの髪を撫でる事はなく、ただ手をつないでいた。
「サメラ、リディア!出たよ!」
「あぁ、わかった。」
繋いだ手をゆっくり解いて、サメラは相棒であるインシデントソルジャーを組み替えて鋭利な刃先を床に打ちつけた。
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