眠れば見る悪夢対策に寝ない。
「…!」
視界がふらりと回った。眠れば見る悪夢対策に寝ない。という選択肢を選んだが故の当然の代償だろう。
「サメラ?」
「どうしたリディア。」
「また寝てないでしょう。」
「寝てるさ。」
「でも、それは何日も前なんでしょ?顔に書いてるわ。」
「…か?」
小さく首を傾げてサメラは肩を落とした。バレてらぁ。と漏らした。
「リディア、聞いて欲しいんだ。」
「ん?なぁに?」
「悪夢を見るから寝たくはない。」
「どんな夢なの」
「みんなが死んでしまう夢をな。」
自分がどういう表情でそう言ってるか解らない。泣きそうな顔かもしれないし、ただ平然としているかもしれない。
「大丈夫よ。死なないわ。」
だって、サメラが守ってくれるんでしょう?。私が小さな時に言ってたじゃない。
こぼれる笑顔でリディアはサメラに言う。
そこである一節を思い出した。私の力の一節をだ。
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