「カインには内緒。」 「秘めてるモノは一緒なのさ。」 にっこり笑う姿はやはり双子だな、とカインはなんとなく思った。直感に近い理解。 「やっぱり似てる」 「へ?」 「サメラとお前と。」 「兄弟だもん。」 吸えば吐き、打てば響く、意識もせずに繋がる会話はもう何年しているだろうか。平然と繋がる会話はなんてなくで繋がる。 「兄弟か。」 静かに口元を歪めて、視界にセシルが入った。少しずつ差は有れども、見ている限り、大きな差異はない。 真っ直ぐの銀とすこし緩やかな銀。 優しい青と穏やかな青。 闘う意識と闘う理由。 「すっごく嬉しかった。」 初めて出来た家族が。 血肉を分けた兄弟がいる事が。 「そうか。良かったな」 「だから、君も幸せになってね」 「は?」 何故そう話が進むんだと、不満げにカインの目がセシルを射抜いた。 「ほら、だいたいは僕らも察知っているんだから」 「おい、」 なんの事だと首を捻れば、セシルは綺麗に笑って、カインに牽制をかけた。 「周りは解っているし、鈍い君たちが問題なんだけど、泣かしたら怒るよ。」 「待て、だからなんのことだ!」 「カインには内緒。」 [*前へ][次へ#] |