「まだ二回目だ。」
「なにかあるのか?」
「いや、素朴な疑問。といったところだ…飯の支度でもするか。」
伸びをひとつしてサメラは願い事をひとつ、空に投げた。夢が現実にならないように。と。
「サメラ、左腕大丈夫か」
「左腕?」
「地底に行く頃に痛がっていただろ」
「あぁ、あれな。大丈夫だ」
「お前の大丈夫ほど安心しないものはないし、黙って血を吐くだろうが」
「……そういえば、血、吐いたな」
ふと思い出して口に出す。出したら出したで、誰がいつ、どうやってだ。と聞き返される。…確か、黙っておいて欲しいと言ったか。そういえば。
「また吐いたのか!」
「まだ二回目だ。」
「吐いた事には変わらん!あれだけ大人しくしろって」
「言ってたな」
平然と答えるサメラにじゃあどうしてそんなことをするんだ。とカインが追求をしてくる。
「私よりもカインの方が格段に美味い。」
…それに他の奴は、料理出来ないしな。エドワードなんか、料理人を月に連れて行こうとしてた。
「あの王子様だしな。」
「確かに。」
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