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生きる為に支払う代償だとすれば安い。

パチパチ木が発ぜる。火は、街を思い出した。炎は怖い。無意識の内の意識は過去の恐怖として根強く残っていた。

「サメラ。」

呼ばれた名前に反応して、意識を切り替えた。視線を上げればそこには蒼。

「お前、怪我。大丈夫なのか?」
「ローザが治したからな」

女の子なのに…!とローザの悲鳴に近い叫びを思い出しながら、すこし前まで折れていた腕を適当に振った。

「ほんと、怪我が絶えないよな」
「生きる為に支払う代償だとすれば安い。」

野を駆け、山を駆け、そこにあるのは戦場。三番目の奇術師-Maniac Replica-は食い扶持を稼ぐ為に軍属になり形勢を逆転させるほどの成果を果たした。

「バロンの西端の森の魔物討伐とか、ミストとバロン間の盗賊退治とかファブールでの海獣討伐とかな。」

今まで行った内容を思い出してサメラがポツリと呟いた。鳥の人。と。
しかしそのつぶやきはだれの耳にも届かず、消えていったのであった。

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